赤ちゃんは命をかけてメッセージを伝えに来る
ここ最近、暖かく過ごしやすい日が続いています。
突然ですが、私は小学校の頃から感想文が一番苦手な課題でした。
本を読むのがやっとなのにその感想を書くなんてできない…
提出はクラスで一番遅かったと思います。(2~3行しか書かないで)
あれから特に成長はしていないんですが、先日ある一冊の本を読み、とても感動したので感想を述べたいと思います。
そして、世間にこの本で述べられているような認識が進んだら、人の心はとても豊かだと思います。
そして、苦しみの中にいる人が救われ、立ち直ることが出来ると思います。
赤ちゃんの温かく豊かな「命」の世界を感じることができますよう
『ママ、さようなら。ありがとう』という本。
著:池川明 氏 ( 産科クリニックのお医者さんです。)
著者は、胎内記憶の調査を数十年され、おなかの中のことや誕生の瞬間を覚えているという子どもや大人に話を聞き、おなかに入る前、雲の上でお母さんを選んだことを覚えている子もいるといいます。
調査を進めるなかで、
「赤ちゃんはおなかにいるときからすでに意識があること」
「両親を愛するために自分の意志で選んでおなかに宿ったこと」
などを著者は確信しています。
でも、すべての妊娠が順調な経過をたどるとはかぎりません。喜びもつかの間、赤ちゃんが雲の上に帰ってしまうケースは、医学が進歩した現在でも一定の割合で存在しています。
赤ちゃんが自分の意志でお母さんのおなかに宿るなら、流産や死産はどうとらえればいいのでしょうか?
もしかしたら、流産や死産にいたる《意味》も、赤ちゃん自身が知っているのではないでしょうか…とこの本は始まります。
私は、おなかのなかにいる赤ちゃんと直感によるコミュニケーションがとれる方=胎話士(たいわし)さんという方がいることを、この本を読んで初めて知り、驚きました。
著者はその胎話士さんとも連携し、胎内の赤ちゃんからのメッセージを読み取ります。それをママやパパにも勧め、言葉ではなく、心と心、魂と魂のコミュニケーションによって、胎内の生まれてくる子の意識、雲の上に帰ってしまう子にも意識があり、その子の伝えたいことを私たちが受けとめるべきだとおっしゃっています。
雲の上に帰っていく赤ちゃん
「妊娠したら元気な赤ちゃんが生まれてくる」と思い込んでいる方は沢山います。けれど赤ちゃんが産まれてくるのは、決して当たり前ではありません。
医学的には、すべての妊娠のうち、8~15%が流産になるといわれています。また、いまの日本でも、お産のうち、2~3%は死産だといいます。
そもそも受精から考えるなら、妊娠反応がでるまで、受精卵が育つのは5回から10回のうちたった1回です。
しかも、一昔前までは、産声をあげてもお宮参りの前に亡くなる赤ちゃんもたくさんいました。
そう考えると、赤ちゃんを宿し、無事にお産にいたり、子どもが大きく成長することは、奇跡のように感じます。
産科医療が発達し、多くの命を救えるようになったとはいえ、妊娠初期の流産については、医療によってくい止めることは、ほとんど不可能だそうです。
お母さんのおなかに宿るだけで大きな幸せ
赤ちゃんが天使になってしまったお母さんは、どれほどつらいことでしょう。
赤ちゃんを抱くのを楽しみにしていたお母さんだからこそ悲しみや喪失感も深いのです。妊婦さんを見かけたり、元気な赤ちゃんを出産した友人の報告を聞いたりすると心乱れることもあるかもしれません。
流産をしたお母さんに医学的な原因を説明し、「よくあることなんですよ」と言ってもなんの慰めにもなりません。
お母さんの「どうしてほかの誰でもない、私が流産してしまったのか」という根源的な問いへの答えにはならず、納得ができないでしょう。
それは、お母さんが医学的原因を知りたいのではなく、死の意味を理解したいからではないでしょうか?
けれど、答えはすでにお母さんがもっています。死の意味は、赤ちゃん自身が知っていて、お母さんはそれを赤ちゃんに教えてもらえるはずなのです。
おなかの赤ちゃんが亡くなると、著者の先生は、直感によって赤ちゃんとお話するといいます。
赤ちゃんに今の気持ちを尋ねると、ほとんどの赤ちゃんが「うれしいよ」「幸せだよ」というそうです。
赤ちゃんは、お母さんのおなかに宿れたこと、ただそれだけでうれしくてたまらないのです。
「あちらの世界に帰るって、あなたが決めたの?」
「うん」
「お母さんはとても悲しんでいるよ。でも、迷わないでちゃんと雲の上に帰ってね。」
「うん、わかった」
著者の先生はよくこういったやりとりを赤ちゃんとするそうです。
そして、こういうことを受け入れられるお母さんの場合は、赤ちゃんとの対話をお伝えする。するといくぶん心が慰められ、笑顔になられるお母さんがいられるというのです。
この時点でお母さんが笑顔になれるというのはすごいことではないでしょうか…赤ちゃんはお母さんを思い、お母さんも赤ちゃんを心から愛している証拠です。
このような事を著書にし、世間に発信するという事はとても勇気のいる事の様に思いました。
このようなやり取りの中には、順応できないお母さんもいるでしょうし、読者の中にも相違があるかもしれません。
ですが、この先生が心から赤ちゃんを大事に思い、赤ちゃんの命の意味を見出そうと懸命なことがわかります。
言葉を持たない存在には、念ずることで意思の疎通ができることを示してくれています。
この行為は、「目に映るものしか信じることができません」という不安や寂しさの中に生きる現代人にとってとても大きな救いです。その人の命は必ずあなたのそばにいるのだから。
赤ちゃんは命をかけてメッセージを伝えに来る
この本を読み進めていくと、「え~本当かな~」と思ってしまう人もいるかもしれませんね。私も驚くことが沢山ありました。
ある流産をされた一人のお母さんのおなかの赤ちゃんに対し、3人別々の胎話士さんがそのメッセージを汲み取った結果、3人とも似たような気持ちを赤ちゃんが伝えたというのです。
著者の先生もそういった経験から、より一層亡き子にも意識があると確信していられます。
赤ちゃんはどんな理由で雲の上に帰るとしても、自分だけのために帰っていくことは決してありません。
意味のない命はひとつもなく、赤ちゃんは残される人に大きなプレゼントを置いていってくれます。
赤ちゃんを亡くされたお母さんは、しばしば「人生にこんなつらいことがあるとは知らなかった」とおっしゃいます。
もっともなことだと思います。
けれど、赤ちゃんは、お母さんの笑顔を見るためにやってくるのであり、お母さんを傷つけるためではありません。
母親として最大のことを経験し、きちんと受け止めたお母さんは、痛みの深さだけ優しくなり、人としての深みが増すでしょう。
それこそが赤ちゃんがお母さんにさしだしたいプレゼントなのだと思います。
私たちは、様々な出来事を通して成長していきます。
流産や死産はショックが大きいだけに、より深い気づきのチャンスを与えてくれます。
自分の命をかけてメッセージを伝え、お母さんやお父さんのたましいの成長を助けようとする赤ちゃんは、強いたましいの持ち主です。
そしてそんな赤ちゃんにお母さんとして選ばれた方も、本来それを受け止める強さをもった人にちがいありません。
お母さんが赤ちゃんのメッセージを受け取らなかったら、赤ちゃんは「おなかの中に宿れた」という喜びはあっても、「お母さんの役に立てた」という喜びの半分は味わえません。
赤ちゃんを100%幸せにするために、お母さんはぜひ、赤ちゃんが何を伝えようとしているのかを感じてあげてほしいのです。
著者の先生が長年、流産や死産をされたご家族と真摯に向き合ってこられたからこそ、言える言葉があります。
「雲の上に帰っていく赤ちゃんは強いたましいの持ち主」
お母さんがこれからの人生を歩んでいく上で、とても誇らしい言葉になるような気がします。あの子は立派な子なんだといつも心の支えになるでしょう。
そして自分もあの子のために強く生きること、優しく生きることを日々の誓いとするに違いありません。
たましいを磨く!
私は数年前、冬の百日間、日蓮門下の修行道場に籠ったことがあります。
毎日三時間という睡眠。朝三時の起床の直後には、水を浴びなくてはいけないという過酷なものでした。
体は、みるみる衰えていきましたが、心は清々しいものでした。
私が尊敬する大先輩のお坊さまはよく「魂を磨くんだ」といって若手の私たちを鼓舞しました。この言葉はどういう意味なんでしょう…?
当時はあまり心に留めていなかったように思いますが、先日この本を読んで思い出しました。
「自分のたましいをみがく」というのは
「命を感じて生きること」
「命=仏さまや神さま」
日常の出来事に一喜一憂しないようなどっしりした心の在り方ができる。
「強いたましいの持ち主」とうはそういう人なのでしょうか…
皆さんはどう思われますか。
追伸
お子さんを亡くされた方やなかなかお子さんに恵まれず悩んでいられる方などへのご配慮などについても、この本を読むとお分かりになることがあります。みなと共に生きていく社会を築くため、自分自身の心の成長にも、とても素晴らしい本だと思いました。