残されるものにとっての心のけじめ

住職のつぶやき

投稿日: 2015年05月15日

最終更新日: 2015年05月15日

ありがたいお宝を発見しました

つい先日、お寺の倉庫をお掃除していましたら、

先代住職【第四十三世 中尾三朗上人】の書かれたお曼荼羅ご本尊や日蓮聖人の書物を書き写したものが出てきました。

第四十三世 中尾三朗上人書物1

第四十三世 中尾三朗上人書物2

早速大事に保管するため表装をお願いしました。

私たちお題目の信仰をもつものにとりましては、このご本尊というのは、心の宝であり、ありがたく尊いものです。

日蓮聖人は、末法の世にはその時代にふさわしいご本尊をかかげよとお教えになりました。

ご本尊とは、如来寿量品に示される本仏釈尊の大慈大悲の願いが顕わされた最も尊いものであり、私たちの日々の信行の対象となるものです。(ちょっと難しいですね)

先代住職の三朗上人は大変勉強熱心な方でした。

神奈川県庁にお勤めをされながらも、自身の時間をみつけては、日蓮聖人の書物を書き写したり、お経を沢山読まれたり、正覚寺の仏具をご自分でこしらえたり!していたようです。

「教えを求めて生きる」すべての人間にとって一番大事な部分でしょう。頭が下がる思いです。

過去から未来へつながる供養

こういった過去の方々の功績を目の当たりにしますと、あらためてお寺を次世代に受け継いでいく大切さを感じます。

三朗上人は、檀信徒の過去帳なども几帳面に書かれ、供養を重ねてこられました。

檀信徒の仏さまを我が子の様に心にかけ、「自身の修行が、亡き人の供養になる」そんな思いだったに違いありません。

いつの時代でも、大切な方を亡くされた方がいて、亡き人の為に最善の事をしてあげたいと仏さまの教えを頼りにされたことでしょう。

昨今は、親御さんが亡くなった時、どうしてよいかわからないために、供養ができない、しない、という人が増えています。

お葬儀社さんで葬儀の準備を進めていく中で、故人様にお経を上げますか?上げませんか?と聞かれるといいます。

決めるのは施主様です。経験が無いから決められずに悩みます。

じゃあお金がかかるならいらないか…となってしまうようです。ちょっと待ってください!!

たいていの子供は、親孝行をもっとしてあげればよかったと感じます。

親がしてくれたことを精算して返すなんてことはできません。

でも墓に布団は着せられずです。お葬儀や法事というのはその孝行にあたるものです。

長い歴史で行われてきたように、親を弔うこと、そういった儀式をすれば、残された人たちは、最善を尽くして親孝行ができたのだと確信できます。

親を仏さまにしてあげられた。そんな自信をもってこれからも生きていけると思うのです。

決して派手にやる必要はないと思うので、葬儀という節目、49日という節目。

節目節目はせめて大事にしてください。それが逝くもの、残されるものにとっての心のけじめになっていきます。

親が亡くなった時、日本人は祈りもしない。

ちょっと未来が不安になります…

私たち僧侶の役割は大きいです。

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